研究室に
ついて
私たちは、木質資源の有効利用を通じてカーボンニュートラルの実現を目指した研究に取り組んでいます。木材を高度に活用するためには、接着剤を用いて製造される木質材料の利用が重要です。そこで、木質材料の力学特性の向上や破壊メカニズムの解明に関する研究を進めています。特に、木質資源のリサイクルに着目し、廃棄木材を原料として製造される木質ボード類から高性能な構造用材料の開発を目指しています。
リサイクル木材を用いた積層ボードの開発
大面積で大厚な木質材料が開発されれば、中大規模木造建築の普及はさらに加速します。現在、さまざまな大型の木質材料が開発されていますが、リサイクル木材を原料とした同種の材料は実用化が進んでいません。そこで私たちの研究室では、リサイクル木材を原料とする木質ボード類を積層し、大面積かつ大厚な木質材料(積層ボード)の開発に取り組んでいます。
▲開発した積層ボード
▲積層ボードの曲げ試験
▲積層ボードの支圧試験
構造用単層パーティクルボードの開発
パーティクルボードは、表層(木粉)–内層(木片)–表層(木粉)からなる三層構造が標準的に採用されており、歴史的にはこの構造が最適解とされてきた。しかし、表層を木粉とすることで木材繊維が切断され、ボード全体の機械的性能が低下するという課題がある。構造用途においては表面平滑性の重要性は低く、三層構造を採用する必然性はない。むしろ、木片のみからなる単層構造の方が合理的である。そこで本研究では、単層パーティクルボードの開発と、その機械的性質の評価を目的とする。
▲単層パーティクルボードの製造の様子
▲製造した単層パーティクルボード
構造用単層パーティクルボードの開発
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