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ついて
天然材料である木材は、鉄やコンクリートに比べ材質の変動が大きいため、確率論に基づいた高信頼性集成材・LVL・CLTの強度設計とそのためのシミュレーションソフトを開発している。
また、木材という材料をベースにし、これまでの発想にない木材接着手法、および高剛性・高耐力木質接合部を開発している。さらに、脱炭素を目指し、解体・リユース・リサイクル・カスケード利用が容易な木質材料・木質構造を開発するとともに、省人化・省エネに優れた木質モジュール工法も開発している。
確率論に基づいた高信頼性集成材・LVL・CLTの強度設計とシミュレーションソフトの開発
木材は天然材料であるため、鉄やコンクリートに比べ材質の変動が大きい。そこで、板材(ラミナ)や単板(ベニヤ)に加工し、それらのエレメントを積層接着した複合材料にすることにより、強度の変動が少ない、信頼性の高い木質材料にすることができる。また、そのために開発したシミュレーションソフトを実際に企業が使い、日本農林規格(JAS)にない新たなJASを取得し、市販している。
▲外層にベイマツ、内層にスギを配置した
ハイブリッドビーム(中国木材(株))
これまでの発想にない高剛性・高耐力木質接合部の開発
接合具が木材にめり込んだり、周縁で割裂し易いため、接合部が欠点となる場合が多いため、木質構造のカギは接合部にあると言われる。また、継手(縦継ぎ:繊維方向が同じ)に比べ、仕口(繊維方向が交差)の接合は、接着剤を用いても難しい。そこで、仕口部の加工を工夫し、高剛性で高耐力な木質接合部の開発を目指す。
▲加工を工夫し高剛性を実現した仕口接合
解体・リユース・リサイクルが容易な省人化・省エネ木質モジュール工法の開発
コロナ禍でも建設業は人手不足である。そこで注目されているのがプレファブ化であり、在来軸組構法用の大型パネル、CLTを用いたモジュール(ユニット)工法を開発している。このようなユニット工法は、施工時のビデオフィルムを逆回転するように解体することができ、解体したユニットを工場に搬送すれば分別解体も容易で、部材のリユース・リサイクル・木材のカスケード利用が可能である。また、工場での加工が主であるため、省人化、省エネに優れており、脱炭素に大いに貢献できる。
▲断熱材、防水紙、透湿紙、窓、石膏ボード、
外壁材を張った大型パネル