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北米における持続可能なインフィル型の建築更新の実態と開発協議プロセスにおける住民参加のあり方とそれによって生まれる実際の住環境に関する分析を行っています。特に、都心部の個別建築物更新事例に着目し、事前確定的な基準(ゾーニング等)と裁量的開発協議のバランスを視点として、コミュニティの要望やキャラクターに応じた住環境・景観はいかに成し遂げられるかということについて、実際のネイバーフッドミーティングやデザイン審査公聴会などの議事録や図面の変化等から効果的な枠組みや手法等を検討しています。主な対象地はシアトル、トロント、マイアミなどです。
日本の都心部において多くの歴史的建築物が取り壊され、地区の特性に合わない開発が行われています。日本では用途地域の緩さや多くの容積ボーナス制度の存在等の課題があり、効果的な容積移転制度のあり方が問われています。本研究では、歴史的建築物保全の観点からバンクーバー市の容積移転制度の運用実態を明らにしました。その結果、容積移転制度を効果的に運用するための要素として、厳しいゾーニング、裁量的な開発審査システム、容積緩和を可能とするリゾーニング制度などが条件としてあげられました。
エリアマネジメントは、近年、着目されてきている空間利用活動の一つです。住民・事業者・地権者などが、様々な組織を作り、イベントの開催等自主的に地域の活性化やエリアの清掃・美化、防犯活動などを行っています。今後は防災・減災や知的創造空間(シェアオフィスや勉強会などの利用空間)の創出などの活動が期待されています。これまで、関連研究としては、海外[アメリカ、イギリス、ドイツ]のBID(Business Improvement District)や観光系組織である、DMO(Destination Management/Marketing Organization)およびTID(Tourism Improvement District)などの研究を行っています。
どんな建築も建てられた当時は私たちの日常を支える器ですが、いつ誰がどのような目的でどのように使用したかによって、文化財のように時代を超えて受け継がれるものもあれば、担った役割を終え解体されてしまうものもあります。今とは違う歴史的背景を持つ近代建築の多くはその岐路にたっています。その一例として、ハンセン病療養所をあげることができます。瀬戸内市にある長島愛生園を対象に、残された建物を通して約90年にわたり築きあげられた生活文化を読み取るなど、日々蓄積されていく建物の中で次世代に何を伝えるかを考える研究をしています。
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